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山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2009年 08月 13日

モンスーン

モンスーン_d0138986_15305716.jpg

よく知られるように、ネパールでは夏がモンスーンと呼ばれる雨季になる。
モンスーンというのはもともと季節風を意味する言葉だが、ネパールなどでは雨季そのものを表わす言葉として定着しているようだ。
モンスーンはだいたい5月下旬頃はじまり、9月中下旬まで続く。
したがってネパール・ヒマラヤの登山は夏場をはずした春(プレモンスーン)と秋(ポストモンスーン)に行われるのがもっぱらである。
冬は晴天率は春秋以上に高いのだが、寒く、かつ風も強いので高所登山には適さない。が、天気はよいのでトレッキングはさかんに行われている。

さて、台風や雷や豪雨のニュースがひんぴんと流れる昨今の日本の夏。
「梅雨明け十日」などという美しい日本語は、もはや死語に近くなりつつある。
日本そのものが亜熱帯化しているというのはよく聞かれる言説だが、そうして亜熱帯化したあげく、日本もネパールと同じように夏場は雨季になってしまったと考えれば、梅雨明けさえもはっきりせず、いつまでも不順な天候が続くこんにちの夏の天候もすっかり得心がいく。

そうだったのか……。
日本の夏はまるごと雨季になってしまったのだ。
あのヒマラヤ山脈をいただく、ネパールなどと同じように……。
すなわち、夏は、一年のうちで登山にもっとも不適切なシーズンとなったわけだ。

となれば、山岳業界に関わる人たちも、いろいろ考えを改めなければいけなくなるだろう。
やっぱり登山はプレモンスーン(春)とポストモンスーン(秋)が中心になるだろうか。
高山植物が見たい人だけは、ネパールと同じように、夏場に雨降り覚悟で山に行くと。
山岳ガイドは、夏の3ヶ月はずっとお休み(それもいいな……)。あるいは海外の山に出稼ぎか。
「さわやか信州号」だって、「じめじめ信州号」とか名前変えなきゃいけなくなっちゃう。そんなことはどうでもいいか。

冗談ではなく、北アルプスなどの高山を安全・快適に登るなら、これからは6月、7月、9月頃の晴天の日を狙うのがよい、と私は思う。
これまでハイシーズンだった7月下旬~8月は少しづつ、登山に不適な時期として認知されてゆくのではないだろうか。

ああ、でも今日はいい天気だなあ……。
しばらく天気もよさそう。
ようやく梅雨明けかな??
さあ、私は今晩から剱岳に出かけることにしよう。

by uobmm | 2009-08-13 15:43 | エッセイ | Trackback


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