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山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2009年 10月 02日

ガイドの練習 ②

ガイドの練習 ②_d0138986_21363864.jpg

先日このブログで、仕事のためにクライミングの練習をするのではなく、面白いから自然とどんどん登る状態が大事、みたいなことを書きました。

それで考えたのですが、クライミングの場合、“面白いからどんどん登る”状態をつくりだすために必要なことがある、ということです。
それは、ある程度しっかりと、継続的に登っていること。
なぜなら、クライミングはたまにやるだけだと上達しないというか、すぐに力が落ちてしまう。
そして、自分が以前よりぜんぜん登れなくなっていたら、やっぱり面白くないんですね。
山登りの場合、体力さえ維持していれば、たまに行っても楽しめると思うのですが、このあたりが登山とクライミングの似て非なるところです。

クライミングが面白くて、自然にどんどん登る状態をつくるためには、やっぱり登らなければならない。
だから、ガイドは自分の仕事のためにも、もっとがんばって遊ばなければならない。
自分のために登る時間をつくらなければならない。
なかなかよい結論が出ました(笑)。

ただ、クライミングというのは熱を入れてやると、仕事よりも家庭よりも、何よりもクライミングを優先したくなる、そんな麻薬的面白さを秘めていますから、このあたりの毒性をいかにうまくかわしつつ、時に味わいつつ、生活の中に取り込んでいくかが難しいところであり、頭の使いどころでもあるわけです……。

私たちガイドの多くは自営業なので、時間の管理は自分に任されています。
仕事と自分のクライミング(や登山)とのバランスをとって生活することは決して易しくはありません。私もいつも四苦八苦しています。
でも、どうすればもっと今の生活が快適で楽しいものになるかを考えるのはとても楽しいし、私はそれを考えるのが大好きです。ほとんど趣味と言ってもいいくらい。

そしていずれにしても私は、今の職業が好きです(笑)。あんまりクライミングできなくてもね。


写真は大好きなアメリカ、ヨセミテ国立公園。ハイシエラといって、ヨセミテでも標高の高い高原地帯です。
写真の山はカテドラルピークと言います。
10年前に初めて見たとき、なんて尖った山なんだとびっくりしましたが、3年前に登頂する機会を持つことができました。
5.8くらいのクラックが続き、最後はあのとんがったピークの頂点に立つという、世界でも屈指の素晴らしいルートです。
ヨセミテを訪れる日本人クライマーにも、こういった知られざる名コースをぜひ登ってほしいですね。
ガイドの練習 ②_d0138986_2137717.jpg



☆11月~1月の募集企画をつくりました。「募集企画」欄をご覧ください。

by uobmm | 2009-10-02 18:42 | エッセイ | Trackback


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