今年の6月に完成させた新ルート「太刀岡山右岩稜」の記録をアップします。
今月発売の『ロック&スノウ』に記録を送っていたので、掲載されると思っていたのですが、紙面の都合で次号(12月発売)になるとのことです。
秋は太刀岡山のベストシーズンですので、雑誌にさきがけてトポを発表することにいたします。
アルパイン要素の高いルートなので、好きな人には楽しめると思いますが、それなりに危ないので気をつけて取り付いてください。
<アプローチ>
太刀岡山駐車場から観音峠方面に車道を少し歩き、小さな木橋で川を渡る。
鎖の横から入り、2つのボルダーの右脇を登る。ボルダーを過ぎたら踏み跡を左にたどる。あとは踏み跡をたどれば、ほどなく下部岩壁メインエリアに着く。左に行けばすぐ太刀岡山左岩稜の取付きである。
太刀岡山右岩稜へは、下部岩壁正面壁から踏み跡を右にたどる。正面壁上部が見渡せるところを過ぎ、さらに壁を回り込むとボルトの打たれた積み木状の岩が現れる。少し登ると積み木状の岩の右に汚いジェードルがあり、その右のハンガーボルトの打たれたフェースがあってそこが取付きである。(下部岩壁正面壁から3~5分くらい)
のちに知ったがここは、100岩場に載っている「右岩壁下部」の「太刀岡健康ランド(5.10a)」と思われる。
<ルート>
1P目(5.10a/20m) B8(うちリングボルト1)
汚いジェードル右のカチフェース「太刀岡健康ランド」から取りつく。ボルト3本目付近から左上し、ルンゼを渡って左のフェース「父の優しさ」に入る。左のカンテに出たところに終了点がある。
2P目(5.9/40m) B1
一瞬とまどう出だしを越えれば易しいカンテとなる。階段状のカンテをノーピンで登り、左のブッシュに入り太い木でランニングをとるか、あるいはそこでいったんピッチを切る。そのまま直上し岩場が始まる手前の立ち木でピッチを区切る(松の木まで登ってしまったら行きすぎ)。
3P目(5.10a/35m) NP & B2(うちリングボルト1)
右上に見える広めのクラックに取付き、立ち木でランニングを取ったあとは、ハング帯のきわを右上。ハンガーボルトを越えて右のカンテに出る。カンテを少し登るとハンガーボルト2本のビレイ点がある。
4P目(5.7/20m) B6
易しいがきれいなカンテを登り、大ピナクルの頂点へ。
5P目(懸垂下降/12m)
大ピナクルから反対側の地面へ空中懸垂。
6P目(5.10d~5.11a/40m) NP & B2
取付きはボルトの下から。右のカンテに出たあとは汚いスラブを登るとハサミ岩のピークに出る。
7P目(懸垂下降/15m)
左岩稜と同じ終了点からハサミの広場へ懸垂下降。
<下降>
ハサミの広場から裏に回り込めば登山道に出て、小山ロックまでは2~3分である。駐車場まで20分程度で下山できる。
<ギア>
・ロープ(50m) 1本
・クイックドロー 8枚~
・カム 1セット
・スリング 適