硫黄岳に登頂したのは午後4時過ぎという、今まで私が硫黄岳に登った中でも一番遅い時間だったと思いますが、それだけの価値がありました。
天気は文句のつけようがなく、そして夕方の斜光が山々をいっそう美しく際立たせていました。
こういった時間に山の稜線近くを行動していることは少ないですが、逆に、こんな夕暮れ近い時間に山で行動しながら見る景色が、私はとても好きです。
陽の光と、空の色と、それに夕暮れが近いという心理的な心細さなどがないまぜになって、何だか胸に迫る独特の美しさが生れるのだと思います。
私はいつの頃からか、明け方よりも夕方の山の風景に、より惹かれるようになりました。