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山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2017年 08月 16日

チンネを目指して

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8月10日〜14日でふたたび剱岳を訪れました。
先週の剱岳は小屋泊まりでしたが、今回は熊ノ岩にテント泊してチンネを登るのが目的です。
テント泊の重たい荷物を担ぎ、初日は剱沢小屋に泊まります。
剱岳の小屋は詰め込みをしないので快適に泊まれ、ありがたいです。

2日目は熊ノ岩へ上がり、3日目にチンネ登攀の予定ですが、肝心の3日目の天気予報がよくありません。4日目の日曜日はよくなりそうです。
そのため、2日目は剱沢小屋で停滞することにしました。
熊ノ岩に上がってもよかったのですが、どうせ停滞するなら小屋の方が快適だからです。

チンネを目指して_d0138986_09573300.jpg
そういうわけで入山2日目は停滞でしたが、私は思い立って一人で熊ノ岩まで往復することにしました。
テントを張りに、です。
お盆休みで登山者がとても多いので、熊ノ岩のテントスペースが残っているか心配だったので、それなら1日早く張りに行ってしまおうと思ったわけです。
結果的にはやはり行って正解でした。私たちのあとから熊ノ岩に上がった方には少し申し訳なかったのですが。
熊ノ岩までは荷物が軽いと思ったよりも速く行け、行きが2時間、帰りは1時間半でした。

翌3日目、あらためて熊ノ岩に上がりました。
剱沢小屋を出るときは降っていなかったのですが、途中から雨となり、いったん晴れ間も出たのですが、その後本降りとなりました。
昨日熊ノ岩にテントを建てたときは私のテントで6張目でしたが、この日はすでに10張ほど張られて、ほぼ満室状態でした。
濡れたザックのせいでテントの中もびしょ濡れ状態でしたが、幸い夕方から雨が上がってくれました。
青空が広がると、このテント場は最高です。


チンネを目指して_d0138986_09573364.jpg
入山4日目の8月6日、待望のチンネ登攀の日です。
今回ご一緒するYさんとは、2009年9月にもチンネを登りにこの熊ノ岩でテント泊したことがあります。
このときはチンネ取り付きまで行ったものの、季節外れの寒波が来て、登れずに帰ることになったのでした。
あれからはや8年たちました。

4時15分、まだ暗いうちに熊ノ岩を出ましたが、すでに長次郎谷右俣を登っていくたくさんのヘッドランプが見えます。
お盆休みと前日の雨のため、この日にチンネを登る人が集中してしまいました。
三ノ窓に着くと、チンネ左稜線を登るパーティーがすでにいっぱい。
われわれはおそらく10パーティー目かそれ以上うしろかもしれません。
これで左稜線に行ったら、どれくらい遅くなるのか想像もつきません。かなり大変なことになるのだけは間違いないでしょう。
左稜線は潔くあきらめ、中央チムニーを登ることにしました。
チンネを目指して_d0138986_09573434.jpg
チンネを登りに来る人は、左稜線に集中しすぎているような気がします。
これだけ混んでいても中央チムニーや北条・新村を登るパーテイーは皆無です。
左稜線がよいルートであることは確かですが、中央チムニーだってクラシックな名ルートなのです。
先行パーテイーも後続パーティーもいない中、素晴らしいチンネからの眺めを満喫しながら、快適な登攀ができました。
それにしても、改めて感じましたが、チンネからの景色、そのロケーションは最高ですね。
八ツ峰6峰フェースだってロケーションのよい岩場だと思ってましたが、チンネからのそれは別格でした。
この日は雲海がかかっていたためいっそう迫力ある景色を眺めることができました。
チンネを目指して_d0138986_09573495.jpg
チンネの登攀を終えて熊ノ岩に戻って来たのはまだ午前中でした。
せっかくだからということで、八ツ峰6峰Aフェースを登ってからテントに帰ることにしました。
Aフェース魚津高ルートをのんびりと(といっても1時間ほど)登り、熊ノ岩に戻りました。

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あとは冷やしておいた缶ビールを飲み、至福のひと時を過ごすだけです。
天気のよい時の熊ノ岩は本当に最高の泊り場だとつくづく思います。
またここに来たいものです。

翌日も好天に恵まれ、熊ノ岩から室堂へと下山し、5日間の充実した登山を終えました。

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by uobmm | 2017-08-16 09:53 | 北ア(バリエーション) | Trackback


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