山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2010年 09月 30日

山岳部の子供たちと

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先日このブログで紹介しましたが、山岳部の小川山懇親会の模様をもう一度。
2日目は私は、写真のごとく、フェニックスの大岩で子供たちと登りました。
トップロープで登る子供たちの下につき、一緒に上り下りするのです。これを7~8回やりました。
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みな愉しそうに登っていたし、終了点に着いたときの誇らしげな表情がとてもよかったです。
ちなみに上の写真はやらせでも何でもありません(笑)。
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最後は少しだけ自分も登りました。
フェニックスの大岩の左に「フェニックス」という5.11のクラックがあります。
フェニックスの大岩には何度も来ているのですが、ちゃんと登るのは初めてでした。
私はトップロープで登っただけですが、短いながらもとてもよいルートでした。まさに隠れた好ルートですね。
次に行く機会があったらリードしたいと思います。
写真はさくっとリードした若い後輩です。今頃ヨセミテでコズミックデブリ(5.13のクラック)あたりにトライしているかもしれません。

そういえば、前日は「無名岩峰周辺」のそれこそ人がめったに行かないエリアに行ったのですが、この時登った「トロイメライ(5.11b)」というルートと「Trial & Error(5.10d)」というルート、どちらもとてもよいルートでした。
わざわざ行く価値あり、とまでは言いませんが(笑)、わざわざ行っても損はしないと思います。
ただし、前者はハンガーボルトとRCCボルトの混在、後者はボルトすべてリング……なので、ちょっと怖いです。でもほんといいルートでしたよ~。
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by uobmm | 2010-09-30 13:32 | 小川山クライミング | Trackback
2010年 09月 27日

またまた烏帽子岩左稜線

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廻り目平は1週間前に来た時とはだんちがいに冷え込んでいた。
先週より10度は確実に低かったろう。
3季用のシュラフではもはや寒く、朝方の気温は0度近かったと思われる。
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「(烏帽子岩左稜線、)連休なんてぞろぞろ登ってたよ」
そんなうれしい話も小耳にはさむため、一番でとりつくべく、きーんと冷え込んだ廻り目平をあとにする。
まだ山の端に月が残っていた。

行く途中のケルンもずいぶんと立派に積まれ、踏み跡もしっかりしてきている。
こういうのは開拓したものにしかわからぬ喜びだろう。
中ほどまで登った頃、後続パーティーがアプローチの尾根を上がってくるのが見えた。
開拓した当初は、長く時間もかかるのでマンツーマンでなければ登れないかと思っていたが、かれこれ10回近く登っている私はだいぶ慣れてスピードアップしてきた。
今日は午前中に車に戻った。
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by uobmm | 2010-09-27 11:35 | 小川山クライミング | Trackback
2010年 09月 25日

北鎌尾根

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悪天候の間隙をぬって、北鎌尾根から槍ヶ岳に登ってきました。
20日に雨もよいの天候の中、中房温泉から大天井ヒュッテ入り。
21日もお昼まで雨の予報だったのでいったんはあきらめたのですが、大天井ヒュッテのパソコンからインターネットを通じ、あちこちの気象サイトを見て天気を熟慮。
12時頃から晴れるという予報を信じ、暗い中、出発しました。
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予報通り昼頃まで雨に降られましたが、北鎌コルから稜線を歩き出す頃にはようようやんでくれ、天気のゆえかいっそう迫力ある北鎌尾根を歩くことができました。

ガスの切れ間から浮かび上がる槍の穂先は、さながら天空の要塞のよう。
この姿を拝めただけでも、このつらく厳しい北鎌を歩いた甲斐があったというものです。
北鎌尾根は、何度訪れてもドラマのあるルートだとつくづく思いました。
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追記)
暗くなる直前に槍ヶ岳山荘に着いた私たちをさらなる試練が待ち受けていました。
な、なんと、小屋にビールが一本もなかったのです!!!
生ビールも、缶ビールも!!
連休の宿泊客が多く、すべて売り切れてしまったとのこと。
うっそー!!
キタカマから来たんですよっ!
13時間行動ですよっ!!

山ではどんなに経験を積んでも、想像を超えたできごとに遭遇することはなくならないと、このブログに一年くらい前に書いたのは私ですが……、
まさか天下の槍ヶ岳山荘にビールが1本もないなんて!
これはさすがに予測できなかった……。
山、恐るべし!

by uobmm | 2010-09-25 16:27 | 北ア(バリエーション) | Trackback
2010年 09月 24日

山岳部の夜

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先週の週末(18~19日)は山岳部の懇親会で小川山でした。
山想会(法政大学山岳部OB会)主催の催しで、OBとその家族、ならびに現役部員など三十数名が参加しました。
3連休の中の2日間をプライベートにあてるのは、山岳ガイドにとってはちょっときついし、お客さまにも申し訳なかったのですが、それだけの価値がある2日間でした。

このところなかなか会う時間もとれなかった1年生とも登ることができたし、久しぶりに会う山岳部の仲間との語らいもよかった。
クライミングも、短時間ながらけっこう楽しむことができました。

山岳部という我々にとっての“第二の家族”とのつきあいを、これからもますます深めていきたいと思います。
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※小川山の報告は法政大学山岳部ログにもアップされていますので、よろしければご覧ください。

by uobmm | 2010-09-24 08:53 | 山岳部 | Trackback
2010年 09月 17日

烏帽子岩左稜線

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大同心を登った翌日は小川山に転身し、烏帽子岩左稜線を登りました。
『山と渓谷』『Rock&Snow』などにも記録が載り、訪れる人も増えているよう。うれしいものです。
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皆に喜んでもらえるような新しいルートをこれからも拓きたいものです。
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注意)烏帽子岩左稜線最終ピッチのチムニーの中のチョックストーンが動きました。だいたい真ん中辺にある大きなチョックストーンです。さわらなくても登れますので、ホールドにしないよう注意してください。

※松原は9月25日まで不在となります。

by uobmm | 2010-09-17 13:15 | 小川山クライミング | Trackback
2010年 09月 17日

大同心

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少し前になりますが、11日の土曜日は八ヶ岳の大同心を登りました。
素晴らしい秋晴れで、絶好の登攀日和。
大同心は今頃がベストシーズンと思いますが、岩場は一日貸切りでした。
この時期の週末、北岳バットレスあたりはそうとう混むと思いますが、大同心は“穴場”だなと思いました。
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大同心は小淵沢を早朝出れば、余裕を持って日帰りが可能です。
ピッチ数は6ピッチ程度と、本チャンとしては短いですが、内容的には面白く、展望も抜群です。
日帰りのできる夏の本チャン岩場として、もっと登られてよいのかもしれません。
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最後の写真は、赤岳鉱泉からの下山時に声をかけてくださった単独の登山者の方が、横岳山頂付近から撮った私たちの登攀中の写真を送ってくださいました。(勝手にブログに使わせていただきますが、お許しください。ありがとうございました)。
大同心の最終ピッチを登っているところです。

by uobmm | 2010-09-17 12:29 | 八ヶ岳(無雪期) | Trackback
2010年 09月 16日

別山がよい山であるということと私がガイドであるということ

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剱御前小屋に泊まった翌日は、別山~立山三山を縦走しました。
来る前の予報より悪くなり、この日の天気予報は曇りのち雨。しかし、午前中は思ったよりよい天気でした。
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別山から立山三山というのは展望の素晴らしいなかなかにすぐれたコースだと、今回初めて気づきました。
私がガイドでなかったら、「別山がよい山だ」なんて、きっと一生思うこともなかったでしょう。
前から思っているのですが、山岳ガイドはお客さんの視線(視点)で山を眺めるため、自分がプライベートで登る山では気がつかない山の魅力や美しさを発見することができます。

種池山荘から爺ヶ岳方面に少し登ったあたりから眺める剱岳って最高に素晴らしいな、とか。
別山方面から眺める立山三山は荒々しくて、なかなかの迫力だなあ……。
などということは、ガイドにならなければ、おそらく考えることもなかったのではないかと思うのです。
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立山の稜線は思ったより暖かかったですが、空はまぎれもなく秋の色でした。

by uobmm | 2010-09-16 15:38 | エッセイ | Trackback
2010年 09月 15日

剱を見に行く

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雷鳥坂を登り別山乗越へ。
何十回も歩いた道ですが、ここはいつも素通りするだけで、別山乗越に建つ剱御前小屋に泊まるのは今回が初めてでした。
剱岳をめぐる山小屋でいやな思いをすることがありませんが、剱御前小屋もその例にもれませんでした。
ホスピタリティがあり、食事もおいしく、とてもよい小屋だと思いました。
靴の脱ぎ履きを楽にできるようにおいてある木のベンチや、小さいけど寝心地のよい枕などに、ささやかな心づかいが感じられました。
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こんな美しい夕景が見られるこの小屋に、またゆっくりと泊まりたいものです。

by uobmm | 2010-09-15 20:07 | 北アルプス(一般登山) | Trackback
2010年 09月 09日

太刀岡山右岩稜トポ

今年の6月に完成させた新ルート「太刀岡山右岩稜」の記録をアップします。
今月発売の『ロック&スノウ』に記録を送っていたので、掲載されると思っていたのですが、紙面の都合で次号(12月発売)になるとのことです。
秋は太刀岡山のベストシーズンですので、雑誌にさきがけてトポを発表することにいたします。
アルパイン要素の高いルートなので、好きな人には楽しめると思いますが、それなりに危ないので気をつけて取り付いてください。


<アプローチ>
太刀岡山駐車場から観音峠方面に車道を少し歩き、小さな木橋で川を渡る。
鎖の横から入り、2つのボルダーの右脇を登る。ボルダーを過ぎたら踏み跡を左にたどる。あとは踏み跡をたどれば、ほどなく下部岩壁メインエリアに着く。左に行けばすぐ太刀岡山左岩稜の取付きである。
太刀岡山右岩稜へは、下部岩壁正面壁から踏み跡を右にたどる。正面壁上部が見渡せるところを過ぎ、さらに壁を回り込むとボルトの打たれた積み木状の岩が現れる。少し登ると積み木状の岩の右に汚いジェードルがあり、その右のハンガーボルトの打たれたフェースがあってそこが取付きである。(下部岩壁正面壁から3~5分くらい)
のちに知ったがここは、100岩場に載っている「右岩壁下部」の「太刀岡健康ランド(5.10a)」と思われる。

<ルート>
1P目(5.10a/20m) B8(うちリングボルト1)
 汚いジェードル右のカチフェース「太刀岡健康ランド」から取りつく。ボルト3本目付近から左上し、ルンゼを渡って左のフェース「父の優しさ」に入る。左のカンテに出たところに終了点がある。

2P目(5.9/40m) B1
 一瞬とまどう出だしを越えれば易しいカンテとなる。階段状のカンテをノーピンで登り、左のブッシュに入り太い木でランニングをとるか、あるいはそこでいったんピッチを切る。そのまま直上し岩場が始まる手前の立ち木でピッチを区切る(松の木まで登ってしまったら行きすぎ)。

3P目(5.10a/35m) NP & B2(うちリングボルト1) 
 右上に見える広めのクラックに取付き、立ち木でランニングを取ったあとは、ハング帯のきわを右上。ハンガーボルトを越えて右のカンテに出る。カンテを少し登るとハンガーボルト2本のビレイ点がある。

4P目(5.7/20m) B6
 易しいがきれいなカンテを登り、大ピナクルの頂点へ。

5P目(懸垂下降/12m)
 大ピナクルから反対側の地面へ空中懸垂。

6P目(5.10d~5.11a/40m) NP & B2
 取付きはボルトの下から。右のカンテに出たあとは汚いスラブを登るとハサミ岩のピークに出る。

7P目(懸垂下降/15m)
左岩稜と同じ終了点からハサミの広場へ懸垂下降。

<下降>
ハサミの広場から裏に回り込めば登山道に出て、小山ロックまでは2~3分である。駐車場まで20分程度で下山できる。


<ギア>
・ロープ(50m) 1本
・クイックドロー 8枚~
・カム 1セット
・スリング 適

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by uobmm | 2010-09-09 13:03 | クライミング | Trackback
2010年 09月 09日

袋の問題

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山にご一緒するお客さまを見ていると、必要なものを持ってこない、すなわち荷物が少なすぎるお客さまというのはまずいらっしゃいませんが、荷物が多すぎるお客さまは少なくありません。
荷物の軽量化について細かく書きはじめたらそうとう時間がかかりそうなので、今日はその中で“袋の問題”を取り上げてみたいと思います。
そう、ふだんあまり深く考えもせず山に持って行っているが、実は不要ではないかと思われる袋についてです。

まず最初に、おそらく99%の登山者は持って行っているでしょうが、私は持っていかない袋。
何かというと、それはテント袋です。
私の実践上、テントは、袋に入れていかない方がよいです。
なぜなら、テントやフライシートは袋に入ってない方がザックにつめやすいです。
かつ、設営時や撤収時に袋から出したり入れたりする手間がはぶけます。
かつ、袋の分、軽量化できます。
うち(法政)の山岳部の学生などはテントは袋に入れずに細引きでしばって持ち運んでいますが、冬山では凍ったテントがかなり膨らんで袋に入れずらくなるので必然的に袋を使わなくなるのですが、冬山にいかない一般の登山者は、テント袋を家においてくる人というのはめったにいないと思います。
でも、試してみてください。袋に入れていかない方が明らかに合理的だとわかるはずです。
もちろん、家に保管する時や車に積む時は袋に入れておいた方がいいですよ。でもザックに入れる時は袋から出しましょう。山岳部の学生みたいに細引きでしばる必要もありません。

次ぎに、やはりほとんどの登山者は持っていくでしょうが、私は時々置いていくものに、雨具の袋があります。
雨具もテントと同じで、最初から袋に入っているから考えなしにそのまま持って行っているだけで、実は雨具の袋ってあまり意味ないのです。冬用のオーバージャケットは袋に入れませんものね。
ただ、雨具は袋に入れていかないメリットがテント袋ほど大きくはないので、軽量化をさして考えない山行では私も袋に入れたまま持っていきます。

それから、コッヘルもほとんどの方が袋に入れて持って行っていませんか?
私はコッヘルも袋から出して持っていきます。
おとといのブログで紹介したクッカーセットはハンカチに包みましたが、これはフタが固定されないのと、中にコンロやカートリッジなどを入れているからです。
ふつうのコッヘルはたいていフタが固定できるし、中身がばらける心配はいらないと思います。
コッヘル袋も考えてみれば不要な袋ですね。
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まだまだありますよ。
ハーネスを袋(買った時についている?)に入れて持ってくる方を時々見かけますが、ハーネスを袋に入れるのはまったくもって意味がないと思われる(笑)ので、これはやめた方がよいのでは?
あと、私も昔はやっていたのでエラそうなことは言えないのですが、クライミングギアも袋には入れない方がいいですね。ガチャ類はある程度ばらけないようにまとめたら、袋に入れずに直接ザックに入れましょう。
経験上、クライミングギア類は、そうして持っていく方が余分なものを持っていかないように思います。

あと、カメラも最近はほとんどケースに入れず、むき出しで持っていきます。
山に入るまではザックの雨ぶたに入れ、山での歩行中はポケットに直接入れてます。結局それが一番撮りやすいんですよね。
冬は胸ポケット、夏はズボンのカーゴポケットに入れてます。(カーゴポケットのついてないズボンだとちょっと困ります)。

それから、サングラスもしっかりした専用ケースに入れている方が多いと思いますが、私は写真のようなジッパー付きのケースと、黄色い袋を使い分けてます。この夏は黄色の袋に入れて持っていくことが多かったですね。入れるのはザックの雨ブタです。
壊れたらどうするの? と言われそうですが、そう簡単に壊れませんよ(笑)。雨ブタに腰かけるわけでもなし。
でも、だから絶対ケースに入れるな、というわけじゃないんです。
要は、本当に軽量化したい山行であるならば、サングラスのケースだって(あるいは袋だって)持って行ってはだめですよ、という話です。

さて、ここまで読まれて、でも、テントの袋も雨具の袋もコッヘルの袋もサングラスのケースも、どれも微々たる重さでしかなく、そんなもの削ってもたいした軽量化にはならないんじゃないかって、思われた方もいらっしゃるかもしれません。
まあ、そう言われればそうですね……(笑)。
けれど、軽量化って、そういうことじゃないでしょうか?
「軽量化」=「微々たるものを片っ端から削っていくこと」
だと、私は思います。
微々たるものでない重たいものをけずるのは、そもそも軽量化とは言わないのでは?(笑)

でも、そうして微々たるものを片っ端から削って荷物の軽量化をはかった山行は、やっぱりザックが軽く感じられるし、登山もうまくいくように思います。これは本当です。

by uobmm | 2010-09-09 11:38 | 装備・食糧などの話 | Trackback