山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2010年 12月 30日

冬山合宿

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今回の冬山合宿の写真は、ラッセル中のものしかありません(笑)。
学生時代以来久しぶりに、すごいラッセルを味わいました。
私は大学時代の6年間、年末年始はすべて剱岳に行きましたので(それもすべて一番乗りで)、学生時代の経験に限って言うなら、ラッセルに関してはそれこそ誰にも負けないくらいやったつもりです。
そんな私にしても、今回のラッセルの激しさは、自分の経験上トップクラスだったと思います。
登りでは常に頭上。平らなところや下りでも腰以上でした。
下りは、なんだか泳いでいるみたいな感じでしたね。
槍平からは中崎尾根の支尾根を登って中崎尾根に至りますが、標高差わずか300mの支尾根が一日では登り切れず、合計14時間くらいかかりました。

もっとも、雪が深いから下山したわけではなく、それでも天気がよくなれば登れたと思うのですが、その後の天候の見通しがあまりにも悪かったので下りることにしました。
下山にかかってからも、2日前に登ったばかりの支尾根にはまたたっぷりと新雪がかぶさり、まったく気の抜けない下りとなりました。雪崩は怖いし、ルートファインディングも気を使います。そして槍平からの下山もトレースがなく、ルートがわからない……。
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冬の北アルプスは厳しい!
中崎尾根といっても、天気が悪ければ第一級の難しさになる。
そんなことを改めて感じさせられた山行です。
そして、最初から最後までこれほど集中し、気を張って過ごした山行も珍しかった。
5日間と短い日数でしたが、濃縮された、中身の濃い合宿でした。
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by uobmm | 2010-12-30 11:28 | 山岳部 | Trackback
2010年 12月 27日

無事下山しました

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本日中崎尾根から無事下山しました。
今後の天候がまったく悪そうなので、早々と撤退しました。
入山日より連日多量の降雪が続き、半端でない積もり方をしていました。
短いながら中身の濃い合宿でした。
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by uobmm | 2010-12-27 21:23 | 山岳部 | Trackback
2010年 12月 22日

槍ヶ岳開山

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今晩から法政大学山岳部の冬山合宿に同行し、槍ヶ岳に行ってきます。
新穂高温泉から入り、冬の槍ヶ岳へ登るもっとも一般的な登路である中崎尾根を登ります。
これからしばらく冬型気圧配置が続くので、十二分に気を引き締め、細心の注意をはらって行動します。
年内に下りてきたいところですが、天候次第で年をまたぐかもしれません。

長丁場の合宿だし停滞日も必ずあるので、本を1冊持っていこうと思い、当初、百田尚樹の『永遠のゼロ』を考えていたのですが、あの本は残念ながらちょっと厚すぎる(重たい)。
で、読んでない本で何か適当な本はないかと自分の本棚を見ると、ありました!
新田次郎の『槍ヶ岳開山』です。
前から読まなきゃと思っていたし、二人くらいのお客さまから面白かったという感想を耳にしています。
厚さもちょうどいいし、何より今回の合宿にふさわしい!

播隆上人のように真摯に、そして謙虚な気持ちで山にのぞみたいと思います。

さて、今年一年たいへんお世話になりました。
また、ブログを見ていただき、ありがとうございました。
それではみなさまどうぞよいお年を。

by uobmm | 2010-12-22 10:41 | 山岳部 | Trackback
2010年 12月 21日

ノルウェイの森

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先週、公開されたばかりの映画 『ノルウェイの森』 を観た。
おそらくは多くの村上春樹ファンに一致する思いだと思うのだが、村上春樹の小説を映画化するのは難しいのではないか?
とぼくも思っていた。だからそれほど期待して観たわけではない。
映画は意外と面白く、なかなかよかった。
映像は美しく、主演の松山ケンイチは村上春樹によく似ていた。
もっとも、原作を読んだばかりの人がこの映画を観たら、小説との違いにどうしても思いがいき、不満を抱くのかもしれない。
幸いぼくが 『ノルウェイの森』 を読んだのは、あの本が出版された年、すなわちもう20年以上も前のことなので、内容をほとんど覚えていなかった。
だから素直に映画を楽しめたのかもしれない。

ぼくが 『ノルウェイの森』 を読んだのは、まだぼくが本の主人公と同じ大学生の頃である。
『ノルウェイの森』 はタナハシという友人に貸してもらった。
タナハシは当時、鬼子母神で知られる東京の雑司ヶ谷の、古い木造下宿に住んでいた。
玄関を開けると小さな靴脱ぎと下駄箱があり、各部屋には靴を脱いでから廊下をたどるという、昔懐かしいスタイルである。
その頃のぼくたちは飲んだあと、タナハシの下宿に転がり込むことが少なくなかった。
彼の部屋はその下宿のたたずまいにふさわしく、いつも乱雑にちらかり足の踏み場もなかった。
学習院大学文学部仏文科に籍を置くタナハシは、それでなかなかの読書家だった。
サルトルの 『嘔吐』 、永井荷風の 『濹東綺譚』 、四行詩 『ルバイヤート』 など、おそらく自分では手にとることがなかったであろうそんな本もタナハシに借りて読んだりした。

その頃ぼくは村上春樹の名前はむろん知っていたが、本はまだ読んだことがなかった。
『ノルウェイの森』はまさしく、本をおくにあたわず、という面白さで、ぼくはあの上下2冊の本を、その日朝までかかって一晩で読み終えた。
徹夜して一冊の本を読み終えたなどという体験は、ぼくの人生の中で二度か三度しか記憶にない。そのうち書名を覚えているのは『ノルウェイの森』だけである。
『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』……。
ぼくがその後、村上春樹の小説を片端から読みはじめたのは言うまでもない。
『世界の終りとハードボイルトワンダーランド』 だけはすぐには読まず、あの本は南極に持っていった。
南極を歩いているあいだに読んだおよそ10冊の本はどれもみな印象深く面白かったが、『世界の終りと~』はその中でも一番だった。そして今でも村上春樹のマイベストである。

『ノルウェイの森』 を読み終えたあと、当然のごとく「ノルウェイの森」が聴きたくなり、ビートルズのLPレコード『ラバーソウル』 をタナハシに貸してもらった。
「ノルウェイの森」はベスト盤にもむろん入っているけれど、もとは『ラバーソウル』というアルバムに収録されていたのだ。
タナハシは本好きであると同時に、大の洋楽ファンでもあった。
村上春樹の小説を読むと、その中で流れる音楽を聴きたくなる。
ぼくは『ノルウェイの森』を読みビートルズを聴き、『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』を読んでボブ・ディランを聴くようになった。
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その後ぼくが人より長く引き延ばした学生生活に終止符を打ち、サラリーマンとしてせっせと働きはじめた頃、大学を卒業しても定職につかなったタナハシは、アジアを放浪する旅に出て、そしてそのまま行方知れずとなった。
本が好きで、洋楽やジャズが好きで、物静かで、そしてなかなかにおしゃれなタナハシは、今になって気づくことだけれど、村上春樹の性向によく似ている。
彼に借りたまま返しておらず、ぼくの本棚に眠ったままになっている本が実は今でもある。
タナハシは元気にしているだろうか……?
何年か前にきれいで素敵な奥さんをもらい、今では堅実に暮らしているという話だ。
彼の部屋はもう散らかっていたりはしないだろう。

一冊の本を徹夜して一晩で読み切るようなそんな熱い読書エネルギーが、はたして今のぼくに残っているだろうか?



『氷の中の休日』、更新中です。

by uobmm | 2010-12-21 10:36 | エッセイ | Trackback
2010年 12月 20日

裏同心ルンゼ

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日曜日は素晴らしい晴天となった。
土曜日のアイスキャンディーの混み具合から、ジョーゴ沢や裏同心ルンゼは大混雑が予想される。
ヘッドランプで赤岳鉱泉を出発した私たちは、裏同心ルンゼF1(最初の氷瀑)に、首尾よく一番に取り付くことができた。

今年も毎度のごとくの暖冬が叫ばれているが、裏同心ルンゼやジョーゴ沢はよく氷結しているようだ。
ラッセルもなく、このルートは今がベストな時期である。

振り返れば、御嶽山や北アルプスの白銀の峰々に朝日があたり、美しく染まりはじめていた。
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『氷の中の休日』、更新中です。

by uobmm | 2010-12-20 12:18 | 八ヶ岳(アイス) | Trackback
2010年 12月 19日

八ヶ岳

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この冬はじめての雪山。この冬はじめての八ヶ岳。
雪は少ないがきれいに雪化粧している。
先週月曜日がどしゃぶりの雨だったそうで、登山道はどこもつるつるに氷化し、赤岳鉱泉までの登りでアイゼンをはくほどだった。
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土曜日は冬型が残り山はガスに包まれていたが、夕暮れが近付く頃になって晴れてきた。
この日の赤岳鉱泉人工氷瀑アイスキャンディーは、砂糖にむらがるアリならぬ、キャンディーにむらがるクライマーの様相を呈し、大盛況だった。

by uobmm | 2010-12-19 18:51 | 八ヶ岳(アイス) | Trackback
2010年 12月 17日

冬山に向けての準備~アイゼンあれこれ

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少し遅ればせですが今週末からいよいよ私の今シーズンの雪山がはじまるので、昨日、今日とアイゼンをいじり、バイルやアイゼンの爪をヤスリでといだりしました。
こういう作業をしていると、冬山に向けて気持ちが入ってくるのがわかります。
大切なことかもしれません。

ところで、この冬は一般登山用のアイゼンを新しく購入しました。
去年まで使っていたアイゼンはスノーシャットがとれかけ、爪もまんまるになっていましたので。
アイゼンは何よりも大事な装備ですから、私のような職業のものは、早めに買い替えるにしくはないでしょう。
ちなみに4シーズン使用しました。(ぜんぜん早めじゃない!?)

さて、いまアイゼンを新しく買うならやはりこれでしょう!
ブラックダイアモンド社が昨年世に出した、そう、ステンレス製のアイゼンです。
少し軽量になったというふれこみですが、計ってみたら今まで使っていたペツルのものとまったく同じ重さ(片方480g)だった。ガクッ。
従来のBD社のものに比べると軽量化されているのだと思います。

ちなみにアイゼンのバンドはペツルのものと付け替えました。
BD社のバンドは黒ですが、ペツルのバンドの方が明らかに色的にあっています。
カラーコーディネートだけでなく、ペツルのバンドは細いので、アイゼン前部のプラスチックカップに通しやすいです。BD社のバンドは特に幅広なのでプラスチックカップに通すのがちょっとストレスと思いました。
ただ、BD社の新しいアイゼンは従来のものから改良されていて、バンドの付け替えが簡単ではありませんので、真似してペツルのバンドをつけようという方は、心してかかってください。
(バンドをしめる際、バンドがうしろのビンディングの中でずれにくいように改良されているのです。私は従来のアイゼンでは、このズレ防止に結び目を入れていました)。

ちなみに言えば、ペツルのアイゼンにはペツルのバンドをつけていたのではなく、カジタのバンドをつけていました。
そこまでアイゼンのバンドをとっかえひっかえしているのは私くらいかもしれませんね。
でも、アイゼンの着脱なんて、少しでも少しでもやりやすい方がいいですから。

ここからは、アイゼンバンドの処理方法についてのお話です。
というのも、多くの登山者の方が、アイゼンバンドの処理に無駄な時間を費やしているような気がするからです。
私が考案したアイゼンバンドの処理方法を以下に紹介いたします。

①一つはバンドを通したところと同じところにバンドを折り返す方法です。
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②二つ目は、ただバンドを折り返し、バックル(リング)の2つの穴に通す方法です。
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①の方が折り返した状態でしめるので、少しだけ慣れがいるかもしれません。
それと、ペツル社のバンドはしめるのに少し力がいるので、どちらかと言えば②の方法の方がやりやすいような気がします。
BD社やグリベル社のアイゼンバンドは①の方法を推奨いたします。

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ただですねえ……。せっかく二つのバンド処理方法を紹介したのですが、いろいろやった結果、一番いいのは上の写真のように、何もしないことかな、という結論に最近は達しつつあります(笑)。
ただし、そのためには言うまでもなく、バンドが適度な長さであることが前提です。

※)この冬、いろいろ試した結果、ペツルのバンドも②の方法より①の方法がやりやすいし、外す時楽なので、すぐれているという結論に達しました。よって、アイゼンバンドの処理は、何もしないか、①の方法で折り返すのがよい、というのが現段階の結論です。(2010年2月に追記す)


アイゼンバンドは買ったままの状態だと明らかに長すぎるので、少し切って短くするのは必須だと思いますが、恐いのは切り過ぎなんですよね。
家で作業するときは素手でやっているので、ついつい短く切り過ぎてしまい、いざ山で手袋をしてつけようとすると、「短すぎて、しめられない!!」ということになったりします。
私も若い頃苦い経験があるわけです。

ということで、私がその悩みを解決いたしましょう。
アイゼンバンドは、靴につけてバンドをしっかりしめた状態で、バックルから20㎝のところで切ってください。
20㎝だとバンドの末端処理をしないためには、少し長いと思いますので、あとは山で実際に使用してから微調整してください。
とにかく最初はバンドをしめた状態で20㎝余らせて切る。
これが結論です。

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最後にもう一つだけ。
アイゼンのうしろについている微調整用のねじは、どっちに回すとゆるむのかが、山で瞬時に判断するのがほとんど不可能です。なので、私は以前から必ず、油性マジックで写真のように矢印と「ユ」という文字をどこかに書くようにしています。
これは絶対しておいた方が便利と思うのですが、やっている人めったにいませんねえ……。

あと、アイゼンやロングスパッツには、「右」と「左」もマジックで書いておきましょう。
そんなところでしょうか。

さあ、気を引き締めて雪山に向かおう。

アイゼンバンドの処理法については、最近書いたこちらもぜひご参照ください。

⭐️山岳ガイド松原尚之のホームページはこちらです。ぜひご覧ください。

by uobmm | 2010-12-17 19:07 | 装備・食糧などの話 | Trackback
2010年 12月 16日

冬枯れの山

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ハイキングの下見で、埼玉のとある低山へ。
山頂はとても見晴らしがよく、この山が古くから人気の高い山であることがうなづける。

頂上で気が変わり、予定していなかったコースを下りたのだが、この道がまたとてもよかった。
雑木林におおわれた見晴らしの良い尾根に歩きやすい道が続く。

時々こういった低山に一人で来ると、なんだかほっとする。
静かな平日で、しかも一人というのが、またよいのかもしれない。
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『氷の中の休日』、更新再開中です。

by uobmm | 2010-12-16 17:41 | ハイキング | Trackback
2010年 12月 15日

伊豆めぐり③

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伊豆めぐりの最終日(日曜日)は湯河原幕岩(伊豆ではありませんが)へ。
この日は横浜のYさんが、息子さんの他に、若い社員の方を2名連れてきた。
20歳と23歳と若い! 20歳の子は大工さんだそうだ。
はじめは少しおっかなびっくり岩を見上げていた二人も、実際にやってみると思ったより登れるのでがぜん楽しくなった様子。
それにしても、初めてとは思えない上手な登りっぷりだ。
8の字結びやビレイ(確保)なども、ちょっと教えただけですぐマスターしたのにも感心した。
またみなでクライミングに行きたいですね。

まだもみじの紅葉が見られる暖かな湯河原で、楽しい一日を過ごさせてもらった。


『氷の中の休日』、更新再開中です。

by uobmm | 2010-12-15 11:55 | クライミング | Trackback
2010年 12月 14日

伊豆めぐり(おまけ)

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海金剛の帰りに松崎町の食堂でいただいた「あじまご茶」。
最近ガイド仲間から教えてもらったばかりなのですが、さっそく食べる機会に恵まれました。
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注文してから出てくるまで時間がかかったので、けっこう待たせるなあ……と思ったのですが、さもありなん。
一人分のお釜で、つやつやした炊きたて(!)のご飯が出てきました。
その焚きたてのご飯に、たっぷりと出てきた新鮮な“アジのたたき”をのせて、まずは一杯目。
次に残りのご飯をよそい、残りの“アジのたたき”をのせ、そこへ熱々のだし汁をかけて二杯目。
これが「あじまご茶」です。
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私にこの店を教えてくれたガイド仲間のお客さまは、西伊豆に行くのは「あじまご茶」が第一目的で、クライミングはおまけだとか……。
食堂の名は「さくら」といいます。

by uobmm | 2010-12-14 20:56 | その他 | Trackback