山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2011年 05月 31日

緑の中で

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篠原さんと久しぶりに新しいルートの可能性を探りにいく。
岩は想像していた以上にポテンシャルが高く、ビッグルートになりそうな感じだった。
ただ、問題はアプローチ。かなり大変である。
下山中は「やっぱり却下かなあ……」、と思いながら下っていた。
けれど、帰りの車を運転する頃には、不思議とまた行ってもいいような気持ちになってきた。
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いずれにせよ今日は楽しかった。
ほとんどクライミングはしなかったけれど、奥秩父の自然の中に一日どっぷりと浸ることができた。
あの緑の森の空気をいっぱいに吸うために、やっぱりまたあの岩場を訪れようか。
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by uobmm | 2011-05-31 21:02 | クライミング | Trackback
2011年 05月 29日

山岳気象大全

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最近になって、私の中で、山の気象について改めて勉強したいという気持ちがふくらんでいます。
そんなとき、実に好タイミングにも、山岳気象の決定版ともいうべき本が新しく出版されました。
あるいは、こういう本が出る時期だからこそ、私が山の気象について今さらのように興味を持ったとも言えるのかもしれません。

著者は日本山岳会の山岳天気予報などでもお馴染みの猪熊隆之氏。
中央大学山岳部出身(この春から監督です)で、レベルの高い登山の経験も豊富な、いま一番注目されている山岳気象予報士です。

山岳気象の本など読むのは大学生の頃以来ですが、新たに教えられること大で、とても勉強になります。
山の気象について学びたい方や、自身の登山の安全性をより高めたいとお考えの方は、ぜひご入手ください。
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上の写真は、5月4日に剱岳の剱沢(平蔵谷出合)で目の当たりにした巨大デブリ(雪崩のあと)です。
これを見た時は唖然としました。
これだけ大きなデブリに遭遇することはめったにないし、まして5月連休の時期であればなおさらでしょう。
4月28か29日頃出たものではないか、という話でした。

私は4月29日~5月1日で剱岳の源次郎尾根登山の予定でしたが、5月3~5日に延期して実施しました。
4月29~30日は、雪崩の危険性が特別高いと考えたからです。

その判断を下せたのも、猪熊気象予報士が中心となって流している日本山岳会の雪山天気予報メール配信サービスの力が大きかったです。
一般の天気予報だと、4月29~30日は好天の予報だったのですが、「猪熊予報」によると、4月29日までけっこうな量の降雪が予想されていたため、29~30日は危ないと考えることができたのです。

今回特別に雪崩が危ないと考えたのは、直前まで大量の降雪が見込まれたことに加え、直近の天気が、雨が降ったり、異常に暖かい日があったり、その後寒くなったりと、寒暖の差が激しかったからでもあります。
雨や、大きな寒暖の変化というのは、表層雪崩の原因である弱層の形成につながりやすいからです。

「直近の雨や、激しい寒暖の変化」に「その後の大量の降雪」が加わった今年のGW前半は、めったにない雪崩の特異危険日と私には感じられました。
そんなGWを経験したことで、私の気象に対する関心がより高まったのだと思います。
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↑ 5月18日の長次郎谷最上部。もう雪はかなり安定していました。

by uobmm | 2011-05-29 20:27 | 本の話 | Trackback
2011年 05月 28日

理想的なハイキングコース

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美しの森から天女山へのハイキングコースを初めて歩いた。
美しの森の駐車場には何度も行ったことがあるし、八ヶ岳山麓というのは私にとってかなり馴染みの深い場所であるのだけれど、このコースはこれまで見過ごしていた。

それは理想的なハイキングコースだった。
低山もそうとうあちこち出かけている私から見ても、ここは極上のコースの一つに数えられる。
展望が素晴らしく、景観は変化に富み、樹木や植物は美しく、登山道は歩きやすい……。
完璧なハイキングコースである。
何しろ私は雨もよいの中を歩いた。それでもこれだけ素晴らしいと感じられるのだから、晴れていたら、どれほどだろう……?
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八ヶ岳山麓のこの雰囲気は、北アルプスや南アルプスにもないものだ。
八ヶ岳の魅力を再発見した思いである。
八ヶ岳を一周するロングトレイルも、いよいよ歩きたくなってきた。

by uobmm | 2011-05-28 18:54 | ハイキング | Trackback
2011年 05月 27日

夕方の下見

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茂来山登山を終えて八ヶ岳山麓にまわり、まだ暗くなるまで少し時間があったので、翌日する予定だった山の下見を少ししておくことにしました。
時間も時間だし、天気もいまいちだし、当然人っ子一人いません。
地図以外何も持たずに、一人黙々と歩いていたら、突然視界が開けて、こんな風景が目の前に広がりました。
ちょっと感動でした。

by uobmm | 2011-05-27 17:54 | ハイキング | Trackback
2011年 05月 27日

茂来山

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木曜日は佐久の茂来山(もらいさん)に登りました。
それほど有名な山ではありませんが、かつて皇太子殿下も登られたことのあるローカルな秀峰です。
比較的短時間で登れ、展望がよく、美しい森の中を歩くことができます。
この日は展望にはあまり恵まれませんでしたが、このみずみずしい新緑に包まれるだけでも価値があったと思います。
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登山道沿いには大きなトチの木が2本あります。
大王トチの木(上の写真)と、「コブ太郎」(下の写真)です。
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天気もなんとかもってくれ、楽しい登山ができました。

by uobmm | 2011-05-27 17:38 | ハイキング | Trackback
2011年 05月 25日

岳の人

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少し前の朝日新聞(土曜版)に、いま映画でも話題の漫画 『岳』 の作者、石塚真一さんが紹介されていました。

「仕事場は、千葉県我孫子市の2LDKのマンション。机、冷蔵庫、CDプレーヤー……家財道具は、必要最低限しか置いていない」そうです。

「ソファどころか、布団もない。泊まり込みで仕事をするときは、登山用マットを敷き、シュラフ(寝袋)にくるまって眠りに落ちる」

好感のもてる生活スタイルだなあと思いました。
彼が質の高い仕事を続けていられる理由の一つは、そんなところにもあるのだろうなあ……、と思いました。

先日、映画『岳』も遅ればせながら観てきました。
映画としてはまずまず面白かったです。映像もきれいでした。
他に私なりの感想もあるのですが、まだ観ていない方も多いでしょうから、それを書くのはもう少し先にしましょう。

by uobmm | 2011-05-25 13:05 | その他 | Trackback
2011年 05月 22日

日和田山クライミング講習

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土曜日は日本山岳会青年部主催のクライミング講習でした。
まるで真夏のような暑さでしたが、熱心な講習生と充実した一日を過ごしました。

クライミングの講習は、たいがい“登って楽しむ”ことを主眼においてやることが多いのですが、この日は、
・支点の設置
・トップのビレイ(確保)と墜落の停止
・オーバーハングの懸垂下降
・マルチピッチの登攀システム
など、一日を通じて、クライミングのシステムを学ぶことに費やしました。
日和田山の岩場は、そのような講習をするのに適したゲレンデだと改めて感じました。


P.S.日和田ではすでにヤブ蚊がたくさん出ていました。でも、虫よけとか持っていなかったのに、誰も一度も喰われなかったのが不思議。刺さない蚊(オス?)だったのかな??
いずれにしても、これからの季節はどこに行くのでも、虫よけ持っていかないと……と思いました。
こないだまで雪山登っていたので、虫のことなんて頭から抜けてたからなあ……。

by uobmm | 2011-05-22 11:29 | クライミング | Trackback
2011年 05月 20日

長次郎谷から剱岳

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今回の剱岳は長次郎谷から頂上を目指しました。
長次郎谷は「ちょうじろうたん」と呼びます。
長次郎谷左俣は、ご存じ剱岳の“初登ルート”です。

剱沢小屋を4時前に出発しましたが、いまの時期、その時間でもすでに薄明るくなりはじめていました。
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「岩と雪の殿堂」とは剱岳に冠された言葉ですが、長次郎谷を登る時、いつも私はそのあまりにも的を得た修辞句を頭に浮かべます。
日本でもっともアルプス的な景観が味わえる場所が、剱岳のこの長次郎谷ではないかと私は思います。
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長い登りをへて長次郎のコルに登りつけば、周囲の風景がガラリと変わります。
最後の急な雪壁を登ると、八ツ峰のぎざぎざの威容が背後に間近く、さえぎるもののないすさまじい展望が広がります。
文句のつけようのない天候の中、静かな山に浸り切り、雄峰・剱岳を存分に味わうことのできた幸福な一日でした。
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by uobmm | 2011-05-20 15:05 | 雪山(その他の山域) | Trackback
2011年 05月 19日

剱岳ふたたび

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また剱岳に行ってきました。
GWに比べ、静かで、雪も落ち着いており、この時期の剱岳はよいなあと思いました。
日数も4日間あり、ゆったりとよい時間を過ごすことができました。
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by uobmm | 2011-05-19 17:45 | 雪山(その他の山域) | Trackback
2011年 05月 15日

原発を読む

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原発問題には人並みに関心を持っています。
広瀬隆(注)の本はむかし何冊か読んだことがありますが、改めて原発について書かれたものを少し読んでみました。

『隠される原子力 核の真実 ―原子力の専門家が原発に反対するわけ』。
この本は、アマゾンの口コミに書かれたコメントがよかったので取り寄せたのですが、とてもよい内容でした。
一言で言って、わかりやすいです。
原子力の専門家が書いているので説得力があるうえに、専門的な内容を素人にもひじょうにわかりやすく記してくれています。
原発関係の本は無数に出ており、私はそのうちのごく一部に触れただけにすぎないのですが、この本は入門書として間違いなくお薦めできます。
原発関連の本、まず最初に読むならこれかな! と言えるような本だと思います。

ぜひ多くの方に読んでほしいです!!!
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ジャーナリスト鎌田慧の『原発列島を行く』は、原発が立地された地域とその住民にどのような影響を与えたか、という視点で記されたルポルタージュ。これもよい本だと思います。

これまで縁のなかった『世界』(岩波書店)という雑誌もはじめて買いました。
特に、孫正義さんの書かれていることが読みたかったのです。
ノンフィクション作家の佐野眞一が孫正義にしたインタビューも「週間ポスト」で読みましたが、いま私は孫正義という人物に、強い敬意を抱いています。

『世界』に掲載されている孫正義の「東日本にソーラーベルト地帯を」の中に、
「私も言うだけでなく行動を起こさなければならないと思い、一国民として責任の一端を担うために、『自然エネルギー財団』を設立し、個人の立場で10億円を拠出することにしました」
という文章があるのですが、孫正義が簡単に言っているその一言に私は感心しました。
「言うだけでなく行動をおこさなければならない」という言葉にです。
ふつうは「言うだけでも」立派なことではないだろうか?
ふつうの人は思うだけで、なかなか言わないのではないだろうか……?
それを、「言うだけでなく行動を起こさなければとならないと思い――」と、さらっと言ってのけるあたりに、この人の器の大きさを見たような思いがしたのです。

原発については、引き続き関心を持ち続けていきたいと思います。


注)広瀬隆は、反原発の立場で多数の著作あり。代表作に『危険な話』、『東京に原発を』など。

by uobmm | 2011-05-15 13:04 | 本の話 | Trackback