飯豊の入山は福島県の川入(かわいり)登山口から。
前泊した川入の民宿が実によかった。
川入は磐越西線の山都駅からが一番近い(それでも車で30分以上?)が、私たちは会津若松駅からタクシーで1時間ほどかけて辿りついた。
民宿が3軒。総戸数は10に満たないような山奥の離れ集落である。
携帯電話はドコモもauもみな圏外だった。
民宿と言っても普通の民家のような軒がまえだが、なんだか懐かしい田舎を訪れたような心持ちになった。
まるで時代を少しタイムスリップしたかのようだ。
そして山菜を中心としたおいしい地元料理の数々……。
今は冬季はすべての家が町に下り、川入は無人の村になるのだが、ここで生まれ育った民宿のおかみさんが子供の頃は、1年を通してここで生活していたという。
冬には豪雪に覆われ、完全な陸の孤島になるであろう奥山の冬の生活はどのようなものであったろうか……?
きっとそれは、苛酷なだけではなかったろうと想像する。
春は4月半ばから開くという。
山菜の採れる時期にまたぜひ訪れてみたいものだ。
飯豊の主脈まで登らなくてもいい。ここで1日2日滞在し、山菜採りに連れて行ってもらおう。
それは素敵な田舎の休日になるにちがいない。