人気ブログランキング | 話題のタグを見る

山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

uobmm.exblog.jp
ブログトップ
2018年 09月 20日

優雅な避難小屋生活

優雅な避難小屋生活_d0138986_10464853.jpg
金曜日でかつ雨なので、六合石室には当然ながら誰もいません。
荷物を広げ、まずは往復20分の水汲みに行ってきます。
そして今回は寒そうなので、石室の中にツェルトを張ることにしました。
小屋の中の梁を使い、うまく立てることができました。
2〜3人用のツェルトなので、内部はゆったりしています。
ツェルトの中は火を焚くとすぐに暖かくなるし、何よりガランとした避難小屋の中にそのまま泊まるよりもずっと落ち着きます。
優雅な避難小屋生活_d0138986_10463418.jpg
それではさっそくビールを開けます。
今回は缶ビールを持ってきました。
7月下旬に一人でここに泊まったときは、初めての日向八丁尾根ということで所要時間も読めず、そのためできるだけの軽量化を図ってきました。
泊りがけなのにコンロもコッヘルも持たず、シュラフではなくシュラフカバー、もちろんビールはなし。
だから朝晩の食事も水で戻したアルファ米の類だけの味気ないものでした。
あれはあれでよい山行だったのですが、次回また一人で避難小屋やテント泊まりの山に行く時には、より愉しい避難小屋(orテント)生活を送るために、以下の点を改善しようと考えました。

①食事はもっと充実させる(もちろんコンロ、コッヘル等は持参する)
②お酒は十分な量を持っていく
③缶ビールも持っていく
④座椅子になるマットを持っていく

今回は急ごしらえの山行ですので、④の座椅子になるマットは持ってきておりませんが、①〜③については前回の反省に基づき、改善してきたつもりです。
優雅な避難小屋生活_d0138986_10462980.jpg
缶ビールを飲みながら、まずはレモン&パセリソーセージを茹でます。
茹でているあいだ、プチトマトに塩をつけて食べると、これが絶品!
このトマトは自分で持ってきたのではなく、黒戸尾根でたまたま一緒になった日本山岳会のヤマシタマリコさんからいただいたものです。
塩をつけて食べると、ビールのつまみとしてもまったく悪くありません。
このトマトはこの日食べたものの中で一番感動がありました。。
私は縦長のトマトって、今まであまり買ったことがなかったですが、これからはわざわざ縦長のトマトを探して買ってしまうかもしれません。

野菜はほかにししとうを持ってきました。
北鎌尾根用には他にタマネギやベーコンブロックも用意していたのですが、一人なのでそれらは車に置いてきました。
さて、ししとうは炒めて食べるつもりでしたが、ソーセージを茹でていたので、めんどうだからししとうも茹でてしまいます。
茹でたししとうに塩をつけて食べると、うん、これも悪くありません。
いや、焼いたり炒めたりしたのよりむしろおいしいかも、と思いました。
ただ、不思議なのですが、茹でたししとうはなぜかどれも辛く感じられます。
ふつう、ししとうの辛いのって10本に1本とか、せいぜい7本に1本くらいの割合ですよね?
ところがこの晩食べたししとうは、全部が全部辛く感じられるのです。
いったい、ししとうは茹でると辛味が出るものなのでしょうか?
優雅な避難小屋生活_d0138986_10464446.jpg
トマトを食べ、ソーセージを食べ、ししとうを食べ、最後はパスタです。
この頃には缶ビールは飲み終え、ウイスキーに移行しています。
次回缶ビールは350mlではなく500ml缶にしようと、また改善点が見つかりました。
パスタ(スパゲッティ)は、最近気に入っているオニオンコンソメ・パスタです。
オニオンコンソメ・パスタとは、ゆでたパスタにクノールのオニオンコンソメスープを混ぜて味つけしただけのものですが、これがなかなか美味しくて、食べさせた人からも好評です。
アメリカでこれを食べた井上D助からは「作り方おしえて」と言われましたが、作り方などというほどのものはなく、ただオニオンコンソメスープを混ぜるだけ。
いつもは野菜やベーコンなどをオリーブオイルで炒めておいて、そこにゆでたパスタを入れて、オニオンコンソメスープを加えるのですが、今回は野菜やベーコンがありませんので、茹でたパスタにただオニオンコンソメスープを入れて混ぜます。
でもせっかくオリーブオイルがあるので、パスタにオリーブオイルを回しがけしてみました。
そんなシンプルなパスタですが、今日もおいしかったです。
オリーブオイルは直接かけるだけでも味を引き立たせると思いました。
優雅な避難小屋生活_d0138986_10465480.jpg
さてさて、トマトがうまいとか、ししとうが辛いとか、パスタの味つけがどうだとか、どうでもよいようなことを長々と書いてしまいましたが、一つ間違いなく言えるのは、私はこうして個人的に山に登るとき、避難小屋で過ごす一人の時間こそ、一番の山の楽しみにしているということです。

この日は『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』(村上春樹、吉本由美、都築響一)を読み終えたので、山本周五郎の短編小説集『おたふく』を開きます。
なにしろ今はキンドル(電子書籍)という便利なモノがあり、スマホに好きなだけ本を入れてこられるのだからすごい時代になったものです。
しかも電子書籍は暗いテントの中でも、ヘッドランプや老眼鏡なしで本が読めるので、読書好きの山ヤにとっては、ほとんど神の道具と言っても過言ではありません。
さて、そろそろ酔っぱらっていますから、小説の1行目を読んだだけで、「う〜ん、いいなあ……」などと、感動したりします。

が、しかし。
いくらも読み進まないうちに……。
いつのまにか、沈……。
いったい何時ころだったか?
午後7時〜8時の間のどこかだったと思われます。

翌日は朝から激しく雨が降っていましたが、少し小降りになるのを待ってスタート。
日向八丁尾根を竹宇駒ヶ岳神社へと下山しました。
優雅な避難小屋生活_d0138986_10464085.jpg
















by uobmm | 2018-09-20 18:15 | 南アルプス(一般登山) | Trackback


<< 念願の北鎌尾根      個人山行ふたたび >>