8月4日(水)〜7日(土)で剱岳のチンネ左稜線を登ってきました。
剱沢小屋1泊、熊ノ岩2泊の4日間の山行です。
昨年同じお客さまたちとチンネを目指しましたが、長次郎谷出合の雪渓が崩壊していたため、断念して本峰南壁に転身しました。
今年2年越しに無事登っていただくことができてうれしいかぎりです。
不安定な天気の日が多い昨今の夏ですが、今回は4日間一度も雨に降られず、しかもチンネにアタックした3日目が一番天気がよいという、きわめて恵まれた登山となりました。
昨年崩壊していた長次郎谷出合は今年はしっかりと雪渓があり、無事に長次郎谷に入ることができました。
このブログでもおそらく何度か書いていると思いますが、長次郎谷を登りながら眺める周囲の景観こそ、剱らしさをもっとも感じさせてくれるものの一つだと思います。
熊ノ岩に泊まるのは2年ぶり。
平日のせいか、私たちの他にはテントが1張のみ。
今年も最高の場所にテントを張ることができました。
私の知るかぎり、ここは日本の山でもっとも素晴らしい幕営地です。
今年長次郎谷出合はしっかり雪があったのですが、右俣上部が断続的に割れていて、通過が難しいかもしれないという警備隊からの情報でした。
そのため、熊ノ岩に入った日はテントを建てたあと、私が一人で偵察に上がりました。
結果、うまくルートファインディングすれば通過することができました。
ただ、その上、池ノ谷乗越までの雪渓は例年より傾斜があるように感じ、お客様を連れての登下降はかなり気を遣うなと思いました。
実際下りの際は、1ピッチほどスタカットで下降してもらいました。
そしていよいよチンネ登攀です。
この日は4日間でも最高の天気に恵まれ、しかもチンネは貸し切りと、これ以上ない条件に恵まれました。
念願のチンネ左稜線を登っていただくことができ、慎重に長次郎谷を下降し、熊ノ岩ベースに戻りました。
しっかり鍛えて、また来年剱岳に戻ってきたいと思います。