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山について語るときに僕の語ること(What I Talk About When I Talk About Mountain)

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2009年 01月 03日

燕岳から大天井岳――冬山合宿②

2008年12月23日~30日
燕岳から大天井岳――冬山合宿②_d0138986_10392775.jpg

2日目は快晴だった。
燕山荘まで上がり、冬の北アルプスの眺めを堪能する。
11月に来た時より稜線では雪が減っており、地肌が見えているところが多かった。
山全体では積雪量は増えているのだが、稜線上は風が強いため吹き飛ばされてしまうのである。
今回歩く燕~常念のコースは5~6年前の5月連休に歩いたことがあり、燕山荘~常念山頂間で、ただの一度も雪の上を歩かなかったことに驚いたものだが、年末でこの積雪量ならそれもうなずけるというものだ。

午前中に燕山荘に着いたので、大天荘(大天井岳山頂直下の山小屋)までがんばって行ってしまうか迷ったが、燕山荘泊まりと決まる。
燕岳を空身でのんびりと往復し、素晴らしい景色を存分に味わう。去年の年末、今年の11月下旬と、雪の燕山荘を二度訪れたが、燕岳の山頂に立てたのは今回が初めてだった。
今日はクリスマスイブだ。
ラジオからはひっきりなしにクリスマスの音楽が流れている。
燕山荘で赤ワインを買ってきて、テントの中で乾杯した。
燕岳から大天井岳――冬山合宿②_d0138986_10442857.jpg

翌朝はすでに風雪だった。
明日あさっては冬型で大荒れの天気となることがわかっており、今日は何としてでも大天荘まで進まなければならない。大天荘には冬季小屋があり、どんな悪天での停滞にも安心である。

燕岳から大天井岳――冬山合宿②_d0138986_11203325.jpg吹雪の中、覚悟をきめて出発する。
蛙岩、大下り辺りまでは順調だったが、その後はえらく時間がかかった。
11時頃からか、風が明らかに強くなる。
天気はいよいよ本格的な冬型に変わったようだった。

大天井岳への登り口である、為右衛門吊岩まで、まだかまだかという思いだった。
風の強さは、行動できる限界に近い。
初めからこの状態なら迷わず停滞する天候である。
私はゴーグルをしているのでさほど問題なかったが、学生二人はゴーグルがなく(一人は持っていたが曇ってしまうということで使っていなかった)、まつ毛や髪の毛が凍りついている。
顔の凍傷が心配だったが、今日はそれを気遣う余裕もない。
大天井岳への最後の長い登り。
燕岳から大天井岳――冬山合宿②_d0138986_1122950.jpg強烈な風に吹きつけられ、何度も何度も立ち止まり、時にしゃがんで強風に耐える。
山頂の祠が見えた時はほっとした。
ホワイトアウトの中で、大天荘を見つけられるのか心配だったが、幸い問題なかった。
学生2人は11月にも下見で訪れている大天荘の冬季小屋にようやく滑り込む。
暗い小屋内は私たちの安堵の思いで満たされた。

by uobmm | 2009-01-03 11:39 | 北ア(積雪期) | Trackback


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